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柳泉園の陳情 賛成討論その2

放射能による被害は、ガンにとどまらず、免疫の低下による様々な健康障害があります。

チェルノブイリエイズという言葉をご存知でしょうか。内部被曝が原因と思われる免疫の低下により、感染症にかかりやすい、風邪の長期化、貧血などの症状が、周辺地域の子どもたちに見られています。東京都内でも最近、季節はずれの感染症が子どもたちの間で流行していることはお耳に入っていると思います。

原爆ぶらぶら病という病気は、原爆投下後に被爆地に入った人々が、「なんだか体の調子が悪い」、「倦怠感で動くことができない」と訴え、でも、どんなに検査をしてもどこもおかしくはない、もう少し様子を見ましょうと言ったら、翌朝布団の中で死んでいたというようなこともあったと、肥田瞬太郎先生は証言しています。

その不可解な症状は、筋肉にセシウムが取り込まれたことによる内部被曝が原因だったのではないかということがわかってきています。

放射能の被害については、歴史から学ぶべきです。

私は、以前、鎌仲ひとみ監督のもとで、2003年の映画『ヒバクシャ-世界の終わりに』という作品の制作と配給に携わりましたが、その仕事の中で、世界中のヒバクシャの姿と言葉に触れてきました。

アメリカの核兵器工場の周辺で、チェルノブイリで、劣化ウラン弾が使われたイラクで、ウラン鉱石などの採掘場で、また、世界中の核実験の影響で、多くのヒバクシャが生み出され、苦しみながら命を落としています。そして、被曝した妊婦から、多くの赤ん坊が、先天性障害児、いわゆる奇形児という痛ましい姿で産まれています。同様のことが戦後のヒロシマ・ナガサキでも起きていたことは、あまり知られていません。
そしてチェルノブイリでは、
25年以上経った今も、人々の健康障害は増え続けています。

それらヒバクシャの姿を嫌というほど見てきた私は、少なくとも自分の目の届く範囲で、このような被害を繰り返してはならない、余計なヒバクシャを増やしたくない、という信念のもと、今、ここに立っています。

しかしそういった被害の多くは「放射能との因果関係が証明できない」として、公式には認定されないままです。

私はその映画の仕事で、京都大学の小出裕章先生、原発に警鐘を鳴らし続けている方ですが、その方にお会いした際、「なぜ学者によって言うことが180度違うのですか?」と聞いてみました。答えは明快でした。
「私は出世を望まなかったからです」。
原子力政策を推し進めてきた日本では、原子力に疑問を呈する学者は出世できない、ということでした。

今、日本で、権威のある高名な学者の多くが「放射能安全説」に立っていることの説明がつきます。

今、私たちは、歴史から、証言や記録から学ぶべきです。

因果関係の証明が難しいならばなおのこと、予防原則に立って、即時、被曝の拡散を止め、高濃度汚染地帯からはコミュニティごと避難をする、少なくとも子供や妊婦は集団疎開させるという措置を取るべきです。そして、除染の可能な地域を、徹底的に除染する。間違っても拡散すべきではありません。

汚染された災害廃棄物の広域処理により健康障害が生じれば、それは人為的にもたらされた二次被曝と言えます。幼い子ども、病気を持った方々など、弱い立場の人々は、生命を脅かされる可能性もあります。それは「生存権の侵害」と言えるのではないでしょうか。


清瀬のリーダーとして、高名な学者のとなえる放射能安全説に立つのか、それとも、世界中のヒバクシャの声を聞くのか。渋谷市長の見識が問われています。

群馬大学の早川由紀夫先生のつくった汚染マップを見ればわかるように、焼却が始まる前の清瀬は、比較的汚染の少ない地域です。ホットスポットや食べ物に注意すれば、幸いにして、住み続けることができている。その環境を、死守すべきです。

今、清瀬市が行うべきことは、放射能や有害物質の混入のおそれがぬぐえない廃棄物を受け入れることではなく、被災地からの避難者や保養を受け入れることです。そして、安心して暮らせる町、安心して子育てができる町であり続けることです。

札幌の上田市長の言葉を上げるまでもなく、渋谷市長には、清瀬市民の健康と安全を守る責務があります。

(つづく)

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